tabi no

apsi

3.11を振り返って

多くの尊い命を奪った2011年3月11日。
私は新宿西口にある会社のオフィスにいました。大きな揺れにもびっくりしましたが、その後、新宿駅に電車が全く到着しないことに驚きました。5分、10分、30分、1時間と経過しても新宿駅に1本の電車も到着しない。電車が全く動かない新宿駅を初めてみました。そのうちに「今日は電車が動きません」という張り紙が貼られ、ただ事ではないことを知りました。
その後数日の時間軸が全くごちゃごちゃで断片的にしか覚えていません。ゴールデンウィークの予約がほぼ全部キャンセルになり、赤字の額は数百万単位で膨らみ、東北では死者が数千人いるという情報と原発が燃えている映像をみて何の希望も見出すことができませんでした。一体今の自分に何ができるんだろう?
恐らく、多くのサラリーマンが自問自答したはずです。東北で大変なことが起こっているのにスーツきてパソコンに向かって仕事なんかしていていいのだろうか?
会社を辞めようかどうしようか考えているとあるスタッフが「日本中で国際線のキャンセルをして、外国人も原発が燃えている日本に来ないからゴールデンウィークの飛行機、ガラガラですね。」とため息まじりに言っていました。

毎日キャンセルの手続きと被災状況をチェックしていても気がめいって憂鬱になるだけだから予約1名につき500円東北に寄付するってキャンペーンしようか?と提案しました。会社全体ではなく、自分が担当しているインドツアー限定で販売を再開したところ、予約が殺到しました。スタッフも予約をたくさんいただき仕事ができる幸せ、さらに東北の支援にもなる!とやる気を出してくれたのです。
お客様も自分だけ海外旅行をして楽しんでいいんだろうか?と自粛ぎみだったのが「旅して東北の支援にもつながるなら」と私が扱っていたツアーを好んで選んでいただきました。

お客様に喜んでいただき、スタッフもやる気が出て、東北の支援にもつながる、旅ってすごい力を持っている。もしかすると初めて旅行業を心から好きになった瞬間だったかもしれません。あの経験がなければ、あのとき予約1名につき500円を寄付するというアイデアを実行していなければapsiはありませんでした。
apsiの原点はもしかすると困難を希望に変えた旅の魅力だったのかもしれません。

私は旅を扱う商売をして応援したい人を応援する術を知りました。そして今apsiというかたちになっていろいろな応援ができるようになりつつあります。あの時の絶望も決して忘れません、しかしあの時の旅の力で得た希望も忘れないようにしたいです。

震災で亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈り致します。今も苦しむ被災しているみなさまのお力に少しでもお役に立てるよう自分は自分のできることを精いっぱいやらせていただきます。

※その後1名様500円東北を応援するキャンペーンは3名のスタッフで80万円の義援金を東北に送金することができました。

(Last Update:2015/03/12)